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2024.08.30

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チャン・ドンユン『ただ受け入れます』

チャン・ドンユンが明かす時間。

 


 
この近くで美味しいご飯屋さんみつけましたか?
A.この近くにある「真味平壌冷麺(チンミピョンヤン冷麺)」によく行きます、常連です。

撮影した時、後ろにずっと真味平壌冷麺の看板があったの知っていましたか?
A.はい(笑)

新婚旅行はミシュランツアーに行きたいほど食べ物が好きですよね? これまでのインタビューでは「愛」について話していただきました。
では「食べ物と愛」このテーマで一番に思い浮かぶメニューはありますか?
A.アワビ、牛肉、松茸焼きです。 幼い頃から、母がこの3つをセットで焼いてくれたんです。母が私をもてなしてくれる最高の料理です。
軍隊で自衛隊に配属され、初めての面会の時も焼いて持ってきてくれました。

本当の愛ですね。
A.私は牛肉が大好きなんです。家でユッケを作って食べ、ステーキも焼いて、料理に夢中になった時は牛肉を買ってきて2日間ビーフウェリントンも作りました。




 
所属事務所を移して初めての雑誌撮影です。最近「カマキリ(原題)」という次回作も確定しました。その作品はどのようにして決まりましたか?
A.原作がとても好きでした。演出するピョン・ヨンジュ監督をはじめ、作家、照明監督、制作陣のほとんどが今までに良い作品をたくさん作られてきた方々でした。とても強烈なジャンルですが、このジャンルをうまく活かせられる方々だという信頼があります。 私には一つの挑戦になると思います。連続殺人鬼の母親を持つ刑事の息子という関係設定自体が簡単ではないじゃないですか。つらいです。だからこそより魅力的に感じたんだと思います。

ピョン・ヨンジュ監督は善良なイメージのあるチャン・ドンユンさんをキャスティングした理由はなんでしょうか?
A.よくわかりません。 今度お聞きします(笑)監督と台本を読んで人物がどんなイメージ、雰囲気を出せばいいのかお互いに意見を交わしたのですが、私が「強いイメージを作るべきでしょうか?」と聞いたところ
監督は私に「元々善良で澄んだイメージがあるから、むしろそれを活用してみたらどうか」とおっしゃっていました。

多くの人がチャン・ドンユンという俳優に「善良なイメージ」がありますが、「カマキリ」でのチャン・ドンユンさんはどこか冷たく、陰のようなものを感じました。
A.その点を監督もご存知のようです。なので上手く活用してくださるんじゃないかと思います。私が演出を経験した上で感じたことですが、俳優本人が多くのことをしなくても監督が盛り込むほうがより良い作品ができると思います。「私の演技哲学はこうだ!」と言うにはまだ熱心に学んでいる段階ですが、今の私は何も考えず単純に演技をしようと思います。
感情が複雑だと演技も複雑になり明確にならないんです。私が演出する時も明確に見えなければいけないのに、そうでなければどっちつかずになります。現場で俳優はもう少し単純に演技へ没頭してこそ良い作品が作れるような気がしています。

 


 
短編映画『私の耳になって(原題)』に続き、直接演出した初の長編映画『麹(原題)』も今製作中ですよね? 演出しながら俳優として何か気づく点などありますか?
A.監督の役割、俳優の役割が別にあるという点。 俳優は監督が望むことを表現する職業だと思います。演技には正解がないと言いますが大衆、監督が望む演技には正解があるようです。
その正解を素早く把握して現場で表現できるように、色々な準備をしていくことも重要だと思います。もちろん監督が予想していなかったことを加えてより良くすることもできますが、基本的には監督が望むことを表現できるのが良い俳優だと思います。
 
監督が望むことを素早く把握するにはどうすればいいでしょうか?
A.経験から培われることも大事ですし、瞬発力のあるものに変えて表現できるように普段から身体も鍛えなければならないようです。
表現の幅を広げ、多様に演技できるようにするためには、多様な作品に挑戦することも重要だと思います。

監督チャン・ドンユンが見る俳優チャン・ドンユンはどんな俳優ですか?
A.私ですか?(笑)それなりにまじめに言うことを聞いて、意地を張らずに監督の言う通りに一生懸命臨む俳優。
作品に合った道具になりたいんです。

 


 

中毒に弱い人間だと告白したことがありますよね?
A.そうです。以前はあまりお酒が好きではありませんでした。でも好きな食べ物と一緒にお酒を飲むと、わぁ~お酒もすごく美味しく感じるんです。
飲んでみて分かりました。ハマったら本当に大変だと。ゲームも俳優になってから始めたんですが、中毒になってしまいました。
それでいつも自制するために、まずは受け入れるんです。「私はお酒が大好きでもたくさんは飲んではいけない。私は中毒に弱い人間だ」と。
なぜなら、結局「自分は中毒にならない」と自信満々な人がハマってしまうと思うので。

食事でも自制したりしますか?
A.高級レストランは好きですが、楽しみながら罪悪感を抱くときがあります。
味で「ラスボス」に会いたいなんて、とても欲張りですよね。結局は高カロリーなものが美味しくて幸せな気持ちになるのに。人間は鶏胸肉に雑穀米だけ食べても体は健康なのに。

でもそれは幸せではないですよね?
そうですね(笑)でも自分だけたくさん食べて、いい暮らしをしていてもよくないのに…周りで困っている人を助けなければならないのに…。
もちろん高い食べ物は美味しくて好きです。大好きなんだけど…。

仕事はどうですか?
A.仕事は中毒になってもいいと思っています。でもここ数年間休まず様々な作品に関わってきましたが、良いことばかりではありませんでした。
仕事好きの心はあまり自制しません。私は現場が大好きです。演出する時も、演技する時もこの現場が私にとって一番心地いい空間になってしまいました。自分の家のように心が落ち着くんです。

 



 
演技で感じる快楽は他の快楽と比べてどうですか?
A.まずレベル違う気がします。そもそも比較しません。
監督が「OK!」と叫んだ時の快感、それが後で大衆に見られ「あの俳優は演技がうまい、キャラクターに共感できてよかった」という話を聞くたびに満たされる承認欲求。それが私の職業じゃないですか。
俳優はそれを成し遂げようと頑張るのだから、おいしい食べ物が与える1次元的な快楽とは完全に異なり、はるかに高次元な快楽だと感じます。

自制する力は元々あったと思いますか?鍛えられてだと思いますか?
A.両方ともです。私はどんなことでも忍耐心が大切だと思います。
俳優なので食べたい食べ物も我慢して、平常心を維持しなければならずそのために訓練もしなければなりません。私は俳優が現場の環境に合わせるのが100パーセント正しいと思います。
現場で使ってもらうために来ているので、俳優も一人のスタッフに過ぎない。誰かは録音をして、誰かは反射板を持って、誰かは演技をして、そのようにすべて自分の役割がある。ただ自分の仕事をやり遂げればいいのだと思います。

チャン・ドンユンの芯には忍耐心が根強くあるようですね。
A.はい。私は忍耐強いです。よく我慢します。現場で「ドンユンさん大丈夫?」と尋ねられることが多いです。「体調悪くなっていないか?」など。そもそも私はそんな心配されるほどの状況だったことにさえ気づきません。単純な方がいいと思います。悪い意味での単純さではなく、自分の仕事と役割にだけ集中すれば感情が複雑になることがないんですよ。でも自分が集中すること以外は鈍感になってしまいますが。

 


先ほどお話しした「単純に演技をする」と繋がりがあるようですね。
A.そうですね、キム・ヨナ選手も言っていました。「練習する時は何も考えないんです」それが大物だと思います。
当時はよく分かりませんでしたが、よくよく考えてみるとキム・ヨナ選手がそういう生き方をしたから、あそこまでまで行ったんじゃないかと思うんです。

世界という壮大な作品の中で、自分の役に忠実であれば幸せですよね。
A.こんなことも考えたりします。すべての俳優がブラッド・ピットを羨ましがっているとしましょう。作品にはブラッド・ピットが必要ですが、ブラッド・ピットは3、4人も必要ありません。
みんなそれぞれの役割があると思うし、その人も必要なんです。同じようにチャン・ドンユンという俳優も必要で、他のどんな俳優も必要です。各自の役割に集中すれば、誰もその人の代わりにはなれない。
他の事に気を取られる必要もないし、自分にどんどん集中するのが俳優にとって一番いいことだと思います。私はそうしようと思います。
 
俳優でなくても、そのようなことを考えていたでしょうか?
A.どんな俳優でも「俳優の世界」に入ったのは運命だと私は思います。
私がもし普通に社会人として生きていたら、日々の現実に追われ余裕がなく生き方について深く考えることはできなかったと思います。私はストレスにとても弱い人間なんです。
俳優をしているので創意的な考えもできて、生き方についても深く考えれてそれを映画にすることもできたようです。

俳優になってよかったですか?
A.本当によかったと思います。とても幸運です、俳優になれたのが。